日本唯一の無形文化財大津絵師が認めた「平成大津絵漫画」の可能性を探る。
-2007年11月 大津絵ミンガマンガ展 開催-
■伝統民画「大津絵」から生まれた、平成大津絵漫画
現存される唯一人の大津絵師四代目・高橋松山先生は、「大津絵」と「大津絵民画」の双方で、精力的に大津絵の伝承に努められています。
(※補足事項 2008年頃より、五代目と共に活動しておられます。)
大津市に生まれた山崎氏。
大津絵は、街中のオブジェや様々な場所に描かれており、山崎氏の日常の中にありました。山崎氏は大津絵の原点とされる「大津絵仏画」と、そこにこめられた風刺や教訓の意味を飛び越え、感覚的に大津絵の魅力を捕らえていました。
そんな風に日常にあった大津絵に、山崎氏独自の自由なタッチと色彩の選択を加えて「平成大津絵漫画の前身」を作り出していました。
2005年初夏、山崎氏は松山先生を訪ねることとなります。松山先生は、これまでになかった大津絵の分野として山崎氏の作品を受け入れ、「平成大津絵漫画」の銘をあたえます。その後、松山先生より直接指導を頂くことで、「平成大津絵漫画」は高い品質での広がりを作ることとなります。
■ファニーに人間を風刺する、大津絵漫画は動き出す。
大津絵漫画は、その動きを期待させます。今回の展示会では、多くの商品へと形を変えた松山先生の大津絵民画の展示の中を、大津絵漫画のキャラクターが駆け回ります(!?) 。山崎氏の作品は大津絵のキャラクターたちが、現代人にとって、分かりやすく、親しみ深いマンガとしてシンプルに描かれています。そんな彼の描く大津絵漫画は、ゲームのキャラクターやグッズ、市のマスコットキャラにも、民衆のそばにあるキャラクターとして変化する可能性を持っています。そんな可能性の片鱗を伝えることが今回の展示会の目的です。
本展覧会は、シニカルでユーモラスな「大津絵民画」と「平成大津絵漫画」を対比し時代に翻弄されつつも守り継がれる「大津絵民画」の真価と進化を広く知っていただき再び「大津絵民画漫画」が人々の生活に自然に寄り添い守り継がれていくことを願うものです。
会期:11月21日〜12月10日 (火曜日定休日)
会場:椿-tsubaki labo-KYOTO(文椿ビルヂング1F)
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